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人物・江戸時代

【べらぼう】吉原のかむろって?花の井付きのさくらとあやめ役の事

画像はシネマトゥデイより

大河ドラマ「べらぼう」で描かれる吉原遊郭の世界に、花の井月のかむろとして登場するさくらとあやめ。
彼女たちの様子をみて、いったいどんな人がかむろになるのか、そのあとは何になるのか気になりませんか?
この二人の役を通して、江戸時代の吉原におけるかむろの姿を徹底解説してみます。

かむろとは

かむろは、吉原遊郭で働く7〜13歳くらいまでの少女たちのことを指します。
現代の日本ではちょうど小学生くらいの子供たちが性の現場で仕事をしていたことになります。
彼女たちは将来、遊女になるための見習いとして様々な仕事をこなしていました。
またかむろが付く遊女は高級遊女という位置づけになります。

かむろの役割

かむろは高級遊女の後や脇に座っているだけではなくて、毎日起きている間はずっと勉強と様々なしきたりを体得していく必要がありました。
その習得度合いで高級花魁になれるか、転落するか。日々気を抜くことができなかったのです。

遊女の身の回りの世話

遊女の身の回りの世話には、以下のような具体的な仕事がありました

遊女の身の回りの世話

髪の手入れや結い上げの補助
部屋の掃除や整頓
客の接待時の給仕(お茶や酒の用意)
たばこの吸いつけ
三味線や琴などの楽器の準備
花魁道中の際の先導や付き添い
遊女の持ち物(櫛や簪など)の管理
客との手紙のやり取りの手伝い
遊女が病気の際の看病
着物の着付けや化粧の手伝い

これらの仕事は主に禿(かむろ)や新造が担当し、遊女が快適に過ごし、客をもてなすための重要な役割もこなしていました。
特に高級遊女である花魁の場合、その身の回りの世話は非常に細やかで、多岐にわたっていたようです。
小学校一年生くらいの女の子がしていると考えたら、複雑な気持ちになります。

かむろの教育

かむろたちは、以下のような教育を受けていました。

遊郭のしきたり

遊郭によってのしきたりはもちろん、吉原でのしきたりや決まり事を、実地で勉強していくイメージです。
それを花魁や振袖新造などからみっちり仕込まれました。

芸事(三味線、唄、書など)

これは主に花魁から稽古をつけてもらうことが多かったようです。
芸事ができないと、上客など教養人からお呼びがかからず、店としても損失なので、花魁としてもかむろや振袖新造の教育は必死な事でした。

接客の仕方

廓言葉(「ありんす」など特殊な言葉遣い)
廓にくるかむろたちは田舎から出てくることも多く、言葉がなまっていることも多く、それを隠すための言葉が「廓言葉」として確立されていきました。
言葉が洗練されていないと、上客も離れる一因になると考えられていたため、この言葉を覚えさせて徹底させることがかなり重要だったようです。
その中で特に優秀なかむろは「引っ込み禿」として選ばれ、より高度な教育を受けることもありました。

かむろの将来
15〜16歳になると、かむろは「振袖新造」となり、遊女としてのデビューに向けて準備を始めます。
その後、正式に遊女となり、最終的には花魁を目指すことになります。
「べらぼう」に登場する花の井月のかむろ、さくらとあやめは、このような厳しい環境の中で成長していく少女たちの姿を体現しているのでしょう。
彼女たちの演技を通して、江戸時代の吉原の生々しい現実と、そこで生きる人々の姿を見ていくことになると思います。

かむろになる少女たちはどんな経緯でやってくる?

かむろになる少女はどんな形で吉原に集められたのでしょうか。
今少なくともハローワークで見つけるって形ではありません。

・貧困家庭から口減らしのために売られた少女
・親兄弟の借金返済のために売られた少女
・遊女が密かに産んだ子供
大体こんな感じで集められました。
女衒(ぜげん)と呼ばれる職業の者たちが、集めてくるのです。
これらの少女たちは、通常7〜8歳頃から遊郭での生活を始めます。

そしてその中で選抜されて、高級遊女・花魁となっていきます。

花魁への道のり

かむろ(7〜13歳頃)

基本的な仕事と教育を受ける
引っ込み禿(優秀な少女のみ)
楼主の元でより高度な教育を受ける
茶道、華道、和歌、漢詩なども学ぶ

振袖新造(15歳前後)

花魁見習いとして接客を学ぶ
花魁道中にも参加

遊女デビュー(16〜17歳頃)

「突き出し」の儀式を行う

高級遊女へのステップアップ

「昼三」「付廻し」などの階級を経る

花魁

美貌、教養、芸事に秀でた最高位の遊女
美しいだけではなくて、教養もかなり重要視されました。
この厳しい階級社会の中で、才能と運に恵まれた一部の遊女だけが、最終的に花魁になることができました。
「べらぼう」に登場する花の井付きのかむろ、さくらとあやめは、このような過酷な環境で生きる少女たちの姿を見せてくれると思います。彼女たちの演技を通して、江戸時代の吉原の現実と、そこで生きる人々の苦悩や希望を感じ取っていくことになります。

さくら役の金子莉彩さん

「べらぼう」で花の井のかむろ・さくら役を演じています。この役は彼女の大河ドラマ初出演となり、注目を集めています。
金子莉彩さんは幼い頃から才能を発揮し、2021年には小学館の雑誌『ぷっちぐみ』が主催する「ぷっちモデル2021」でグランプリを受賞しました。
この受賞が彼女の芸能界デビューのきっかけとなったようです。

プロフィール

名前:金子莉彩(かねこ りさ)
生年月日:2014年6月10日
年齢:10歳(2025年1月現在)
星座:ふたご座
所属事務所:Courage Kids(クラージュキッズ)

主な出演作

「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(2022年)
「木のストロー」(2022年)
「4つの不思議なストーリー〜超常ミステリードラマSP」(2020年)

「祈りのカルテ」では、玉森裕太さん演じる主人公・諏訪野良太のもとを訪れる患者の一人として出演し、その演技力が評価されました。 「べらぼう」での金子さんの演技は、江戸時代の花魁の世界に生きるかむろの姿を生き生きと表現しており、視聴者の心をわしづかみにすると思います。
彼女の成長と今後の活躍が楽しみですね。
金子莉彩さんの魅力は、その若さにも関わらず、役になりきる演技力と、カメラに映える愛らしさです。「べらぼう」での彼女の演技に注目して、ぜひ楽しんでご覧ください!

あやめ役の吉田帆乃華さん

プロフィール

名前:吉田帆乃華(よしだ ほのか)
生年月日:2014年6月26日生まれ
出身地:福岡県
血液型:O型
所属事務所:Courage Kids

主な出演作

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(2025年) – あやめ役
テレビ朝日「スカイキャッスル」 – 10歳の洋子役
日本テレビ「新空港占拠」 – 武蔵えみり役
NHK大河ドラマ「どうする家康」 – 出演

私が印象的だったのは、同じNHK大河ドラマの「どうする家康」に出演していた時の様子です。
家康の娘「亀姫」の少女時代を演じました。
後に母と兄を信長の沙汰で失い、自らも信長の命令で嫁がなくてはならない不安定な境遇を演じきっていました。
その時の様子が、大河ドラマへの出演は若手女優にとって大きな機会であり、その後の「べらぼう」出演にもつながった重要な役柄だったと思っています。

まとめ

江戸時代の吉原という場所には5000人以上の女性が働いていました。
生きるために、家族を養うために売られた少女たちが懸命に働いたことをかみしめる必要があります。
そんな役どころを、金子莉彩さん、吉田帆乃華さんが演じています。
彼女たちの演技に当時の遊女見習の女性を思ってべらぼうをみてみませんか?