大河ドラマ『べらぼう』は、江戸時代の出版業界を舞台に、その時代に活きたと人々のドラマを描いています。
しかし、このドラマの背景には、現代社会が直面している環境問題、特にごみ問題との共通点が見られます。
実は、人口100万人を超える大都市・江戸では、現代以上に深刻なごみ問題が起きていたのです。
それをいかにして解決して循環型のリサイクルに取り組んでいたんでしょうか。
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100万都市江戸のごみ問題:限られた資源の中で生きる知恵
江戸時代中期、蔦屋重三郎が活躍した江戸は、世界でも有数の巨大都市でした。
この急速な都市化は、大量のごみを発生させ、人々の生活を脅かす深刻な問題を引き起こしていました。
しかし、江戸の人々は、限られた資源の中で生きる力やリサイクルの方法を徹底させていたようで、循環されていました。
<h3『べらぼう』に見る江戸のリサイクル文化
『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎は、出版業を通じて江戸の文化を牽引しました。
彼が手がけた「吉原細見」などの出版物は、当時の最新情報を伝えるメディアとして人々に愛され、読み終えられた後も様々な形で再利用されていました。
例えば、古くなった本は、細かく裁断され、再び紙として生まれ変わったり、燃料として利用されたりしました。
なんと古紙回収してトイレットペーパーに再利用されていたんです。
現代と何も変わらないというか、江戸時代の知恵が今も生きているということですよね。
紙くずを集める職業もあった江戸時代
ではその紙くずを集めるにはどうしていたのか・・・。
それは現代の廃品回収と何にも変わらないです。
「紙買い」という職業がちゃんと存在していました。
書き損じの紙などを買って、すきなおしてトイレットペーパーにするという感覚はおそらく、紙すきと水が豊富だったからこそできたことだったと思います。
衣服のリサイクルは?
現代でもリユースの服屋さんがあるように、江戸時代もたくさんの古着屋さんがありました。
上級武士などは呉服屋さんで新品の着物を買っていましたが、ほとんどの人々は古着屋さんで着物を買って、それを着たおしていました。
それでも自分なりの好みの一着にするために、古着屋さんで着物と端切れを買って、半襟につけたり、裏地にしたりして自分だけの一着を仕上げていました。
リユースを買うけど、自分なりのおしゃれも江戸時代の人たちは楽しんでいました。
このリユースを助けた人は?
それは「古着買い」と言われる職業の人たちが存在しました。
その人たちが古着を買い、古着屋さんに卸していたようです。
古着の行方は?
衣服は擦り切れたら、おむつにして、その後雑巾にして、それがぼろぼろになったらかまどの焚きつけにします。
そしてその燃えてしまった灰さえもリサイクルしていました。
灰は何と洗剤や陶器の混ぜ物に使われていたようです。
すてるものは何一つない生活を江戸時代の人たちはしていたようですね。
『べらぼう』が描く江戸の町民文化の中には、物を大切にする「もったいない」という精神が根付いていました。
この精神は、単に物を捨てることを惜しむだけでなく、資源を最大限に活用し、循環型社会を築くための原動力となっていました。
こんなものまで再利用
実はどの時代でも処理に困るのは人の排せつ物です。
現代ではトイレでして水で流せば終わり・・・下水をとおって、処理されています。
しかし、江戸時代はどうだったでしょうか?
べらぼうのなかでも、蔦屋重三郎が一番最初に平賀源内に出会ったのはどこだったかわかりますか?
実はトイレⅮ出会っているんです。
そこで蔦屋重「役人はくそだ」というと平賀源内は「役人は屁だ」と言い放ちます。屁だけに言い放ったんです。
これは、人間の排せつ物を重要な肥料にしていたという事です。
くそは役にたつけど、屁はくさいだけですからね。
江戸の人たちの感覚はそういう事だったと思います。
最終的なごみはどうなった?
循環型を目指しても、最後にはどうしてもごみは出てしまいます。
川の底をさらうとやっぱりごみはたくさん出てきたそうです。
それはどうしていたのか?
芥改役という仕事
実は下水などを掃除するお役目の方がいました。
その役職名は「芥改役」という役職(武士の下請け的な)の人たちがある場所にもっていきました。
それは現在の東京都江東区の永代島や越中島などの埋め立て用のものになっていました。
いまあるその地域は江戸時代の埋め立て地なのです。
昔はノリの産地でだからこそ浅草海苔という言葉があったんですね。
今は海は遠くなってしまいましたけどね。
現代に活かせる江戸のエコ術:地域コミュニティの力と循環型経済
江戸時代の人々は、地域コミュニティの力を最大限に活用して、ごみ問題に対処していました。
例えば、古紙の回収や下肥の利用などは、地域住民の協力なしには成り立ちませんでした。この地域密着型の取り組みは、現代の私たちが抱えるごみ問題解決のヒントを与えてくれます。
『べらぼう』から学ぶ持続可能な社会:未来への挑戦
大河ドラマ『べらぼう』は、単なる時代劇ではありません。
いや、時代劇なんですけど、リサイクルという事を考えながら見ると、また違った見え方がしてくる気がしませんか?
蔦屋重三郎をはじめとする江戸の人々が培った知恵は、現代の私たちが直面している環境問題解決の糸口となるはずです。
まとめ:江戸から学ぶ、未来への道
江戸時代の人々は、限られた資源の中で、豊かな文化を築き上げました。
その背景には、ごみを減らし、資源を循環させるという、現代社会が目指すべきサステナブルな暮らしがありました。
大河ドラマ『べらぼう』は、そんな江戸の人々の知恵と工夫を私たちに教えてくれます。
現代社会は、大量消費・大量廃棄の時代を迎えています。
しかし、江戸時代の人々が実践したリサイクルや地域コミュニティの力を参考にすれば、より持続可能な社会を築くことができるはずです。
そういう視点でドラマを見てみるのもおもしろいかもよ?というお話でした。